映画「愛你一萬年」

随分経ってしまいましたが、3月に大阪で開催されたアジア国際映画祭で、2本映画を観てきました。
そのうちの一つが「愛你一萬年(一万年愛してる)」です。

華流ファンの方にはF4のヴィック・チョウ(周渝民/仔仔)と言えば超有名なんでしょうか。
映画祭チケットもまたたく間に売り切れ、追加上映分を観ることができました。
私の動機はいつもどおり、台湾の映画だから!なのですが。

ヴィック・チョウ…漢字表記は周渝民、ヴィックは台湾の芸能人がよくつけている(ビビアン・スーみたいな)英語名みたいな感じで、仔仔(ザイザイ)はニックネームです。なんかいろいろあってややこしいですねぇ(笑)
会場にはさすが、彼の人気を反映しておばさま、いえおねえさま、いやもしかしたら同年代か?の女性がわんさか。
お茶の間でもないのに映画中にこそこそしゃべる人が複数いたのには閉口しましたが、映画は大いに楽しめました。

所謂ドタバタ恋愛コメディーなのですが、テンポがよく、お気楽に笑える映画。
主人公の日本人の女の子(みかん=加藤侑紀)が関西出身という設定だったのですが、これが正解だったんじゃないかと。関西ノリと台湾ってなんか合う気がするんですよね。身びいきかもしれませんけど。なかなか演出が難しいと思われる、関西ノリが嫌味なく取り込まれててうまい!!監督(日本人)はきっと関西の方に違いないと思って調べたら、やはりそうでした。滋賀出身の北村豊晴監督!パチパチパチ!
主演の加藤侑紀さんは恋愛初期の女の子の可愛らしさとか、新卒で働き出したばかりの初々しさが上手でした。
仔仔も、わたくしはこの映画で、あ、男前やん、と認識(笑)。ちょうど今、BSで彼主演の「 痞子英雄 (ブラックアンドホワイト)」という刑事モノを観てるのですが、こちらでは役柄がエキセントリックすぎて(今後の展開で変わるらしいですけど)、ルックスにフォーカスできなかったんですよねぇ。今回の映画の中ではV6岡田くん系の男前ぶりが(岡田くんファンは納得しないかな)観られました!
男前が一瞬くずれて、にやけたようなスケベなようなかわいらしいような表情を見せる…のが彼うまいのですが、今回は彼が「…み!」というシーン。これはファンは萌え萌えでしょうねぇ〜

ストーリーとしては、お互いがこれまでの恋愛相手と違って特別だ、とわかるようなエピソードが少しでもあれば深みがあったのになぁと思ったのですが、それ以外の要素で楽しませてもらえたので、お気に入り映画入りです。

バンドのボーカルという設定の仔仔が歌う曲が以下二つ。
主題歌になっている「愛你一萬年」はなんと沢田研二のカバーなのですねぇ!なんかかっちょいいメロディーラインだなと思ったらさすが。でもアレンジは仔仔バージョンのほうが好きです。
どっちもMVには映画のシーンが使われているので、ご参考に!

♪周渝民 – 愛你一萬年MV

♪愛你一萬年片尾曲 仔仔 [我在想你的時候睡著了] MV

映画「soul kitchen」

今日はクロッキー会と画材買出し、の合間に映画を観てきました。
「Soul kitchen」。次の個展のテーマは食堂だしー、レディースデーだしー、という言い訳しながら…
あ、ソウルは「魂」のほうで、韓国の方ではありません。ソウルフード、ソウルミュージックのソウル。ドイツの映画です。

新聞のレビューで、なんとなく好みそうだなというアタリをつけて行ったのですが、ビンゴ!
ビジュアルも音楽もノリも好みでした。イェイイェイ。

やっとこさ経営しているような庶民派レストランに、仮出所の兄がやってきて、土地狙いの不動産屋がやってきて、天才シェフがやってきて、ミュージシャンもいて、恋人とはすれ違い…とまぁ、ドタバタものなのですが、そこに「ソウル」フードと音楽が絡めばそりゃもうご機嫌なわけです。
ドイツの移民問題もさりげなく織り込まれ…というのは解説を読んで把握したことですが(日本人にはわかりづらいですね)、なるほど多国籍風な、登場人物の個性豊かなルックスも混ざり合って、なんともええ感じの映画となっていました。
でっかいスクリーンでこの映画流しながら、ガツン系フードをわいわい食べたら楽しいやろうなぁー!

★予告編を…日本語バージョンよりこちらのほうがより雰囲気が伝わる気がするので英語のほうで…

そして音楽とビジュアル、もうエンドロールまでめっちゃかっこいいのです。エンドロールこそ観て、というか。ソウル・ミュージックのレコードジャケットの、ぶっといフォントばーん!派手シブな色使いドーン!写真コラージュじゃーん!みたいなあの感じ。(動画上がってないかなぁと探したけど、なかった…)

これはサントラもチェックせなーと思ってるのですが、残念ながらサントラのジャケットだとその雰囲気は薄いかな…
soul kitchen sound truck
むしろUKロックな感じ、決して嫌いじゃないけど、映画のパンフレットとかポスターのこっち↓のビジュアルのほうがぽいなぁと思うので、そこは残念…。

ドイツ版とか

UK版

のほうがまだ映画の雰囲気かなー…と思ったりも…(でも中のブックレットも気になるしね!)

モンガに散る(原題:艋舺 MONGA)


台湾映画、「モンガに散る(原題:艋舺 MONGA)」を観てきました。
今年、台湾でNo.1ヒット、「海角七号」に次いで歴代二位になったという作品です。
http://www.monga-chiru.com/
(※ムービーが流れます)

※海角七号について書いた過去の日記→
さらにつっこんで書いたmixi日記→

事前に知っていたのはヤクザ映画ということ。
暴力、ケンカ、流血、男の友情…普段なら絶対観ないジャンルです。
が、台湾映画です。
台湾のことなら何でも知りたい病です。
観ることにしました。

よく作り上げられた映画です。暴力シーンはやっぱり苦手で心臓がバクバクしてしんどくなってしまいますが、状況の変化に煽られて、人の心情や、関係が少しずつずれていく様には自然に共感、引きこまれました。
黒社会に足を突っ込んだやつらにも関わらず、登場人物の中にやさしさとか、のんびりした空気を感じる部分には、私の好きな台湾があるなぁと思ったのですが、登場人物にリアリティがあるというのはこの映画の大きな要素だったと思います。若い主人公たちが、悪ぶっててもビビるときは普通にビビったり、愛嬌は隠しようもなかったり…。登場人物それぞれの性格、内に抱えているもの、置かれた状況と物語のリンクの仕方が素晴らしく、映画の密度がぐいーーっと高まっていたように思います。

父親不在のモスキートが無意識に求めていたもの、どうしようもない時代変化の渦の中で、頭が切れるが故に決定的な引き金を引いてしまうことになるモンク、年老いた父親を一人で守りながら暮らす白ザル(役のニックネームです)が、仲間内の世界でもやはり一人きりで戦いに飛び出していくシーンも苦しいです。
ヤクザ映画とはいえ、環境が大きく変わる中、「ナンバー2」である主人公がどう行動するのか、リーダーを守るべきか切るべきか、本当にそうするしかなかったのか、自分自身にも感情はあるし身も守らなくてはいけない…という状況は普遍的で、いろいろな見方ができておもしろいのではないかと思います。

あと、この映画に限りませんが、台湾映画って外国映画(ドラマ)にありがちな、今の表現ちょっと意味わかんないけど、こういうこと…?というような、感情表現への違和感というのがあんまりありません。普通に日本人見てるのと同じように理解できる。
顔立ちが似てるのもあると思うのですが、それも物語に入り込みやすかった理由かな。

素敵だと思ったのは、この映画がNo.1になった、台湾の人の感性です。わかりにくくは決してないし、よく練られた台本なのですが、仮にこれが日本映画だったとして「大」ヒットにはならないだろうなぁと。
台湾の映画事情に詳しいわけではないので言い切ることはできないのですが、少なくともハリウッド映画レベルのものは日本と同じように入ってると思います。そんな中でこの映画が「1番」になるのってすごい。(同時期に公開されたアバターは抜いたそうですので…)
音楽でも、ロックよりもボサノバが大人気というお国柄だそうですが、わかりやすさ/派手さ/目新しさにひっぱられるのではなく、じっくり受け止めるところにおもしろさがある、こういうものが国民的に受け入れられるというのはすごいなぁと思いました。

モンガという地名には「小舟」という意味があるそうです。
映画を観てしばらくしてから思ったのですが、描かれるモンガの姿は、台湾そのものではないのかと。
舞台は80年代。のさばり始める大陸勢力に対する反発と同調、主人公が小さくつぶやく日本への憧れ。
監督の意向がどうだったかはわからないのですが、一旦そう思うとそうとしか思えない…

…と思ってたら、監督インタビューありました。
やっぱりそうみたいです。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/101224/tnr1012240746005-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/cnews/20101224-OYT8T00565.htm

ちなみにこのニウ・チェンザー(鈕承澤)監督、元々俳優さんで、自身もある役で登場しているのですが、すごくいいです。なんだろう、あのスッとした、なのにすごい存在感…
主人公の一人、モンクを演じたイーサン・ルアン(阮經天)も静かなのに凄みもあって良いのですが、調べたらこの二人は師弟関係みたいな感じらしくて、なんか納得でした。

風を聴く/雨が舞う

大阪・九条のシネヌーヴォにて、台湾のドキュメンタリー映画を二本観てきました。
「風を聴くー台湾・九份物語」
「雨が舞うー雨絲飛舞・金瓜石残照」
です。

台北から車で一時間ほどのところにある、基隆山という金山を挟んだ二つの金鉱街、九份と金瓜石のある時代〜昭和初期から終戦時代の、日本統治時代〜を、当時を知る人のインタビューで語ってゆきます。
九份は観光地としても有名なので、行ったことがある人は多いかもしれません。私も二度訪れているのですが、その街の成り立ちについてはなんとなく聞いたような…くらいでした。
金瓜石については、台北や九份で見かけるバスの行き先に必ず表示されているというので記憶はしていたものの、その背景はまるで知らず。今回初めて知って、機会があれば訪れてみたいなと。
ただ、九份(の、観光エリア以外)も金瓜石も、かつての金鉱街というだけで、現在は寂れた街のようです。言葉ができるようになって、現地の情報も得られるようになってから行ったほうが面白いかもしれません。

今回興味を引いたのは、そういった街の成り立ち以上に、その時代を生きた人たちの言葉、気持ちでした。
それは私の台湾全体への興味とイコールなのですが、ある時突然日本という異国に支配されるようになって、嫌な思いをしたに違いないのにも関わらず、彼らから感じるあの暖かさの背景には何があるのか?(あるいはそれは表層的な印象に過ぎないのか?)。
今回のインタビューを見ていると、やはり直接的/間接的に差別はあったようです。
また、映画内では直接扱われていなかったものの、日本人によるひどい事件もあったようです。
終戦によって日本人が引き上げ、大陸から国民党がやってくる、そのことを当時の人は期待を持って受け入れ、しかし実際は失望に変わってしまったこと。もしかしたらそれが、相対的に日本統治時代の印象を良くしたのかもしれません。
あるいは、台湾人という理由は関係なく、戦争という辛い体験を経て、長い人生を歩んだことで身につけてきた人間だからこそ身につけた大らかさなのか。

まだ、わかりません。
ただ、彼らが何かしら状況を「受け入れ、赦し」ていること、それは確かで、その態度にこそ私は強烈に惹き付けられているんだということを、今回は再確認しました。
日本の警察によるでっちあげともいえる容疑で連行され、収容先の刑務所で空襲に遭い亡くなった父親を持つ男性が語っていました。
「その後、政府は二つ(台湾と日本)に分かれてしまった。一つの政府(台湾)は当時のことはわからない。もう一つの政府(日本)はもはや関心すら持ってくれていない。国交も曖昧なまま。私はただ、心の中に想うことしかできないのです。」

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あと、もう一点。
映画内のインタビューは、日本統治時代に教育を受けた世代が中心ということで、その多くが日本語によって語られていました。
日本語で語られる、異国の人の体験、気持ち。
言葉が通じるというのはすごいことです。
初めて台湾に行った時、日本語の通じ具合に大層驚いたものです。英語圏の人であれば、世界の主要なところではほぼ英語は通じ、自分自身を適応させる努力は相対的に低いままどこでも渡り歩けるわけですが、その疑似体験。
そのときは単純にそう思うに留まっていました。
ただ、その後少しの時間を経て、中国語を勉強しようと思い立ち、続けているその動機の裏側に、今日は再会した気分です。
言葉が通じることで、「同じ人間である」という証しにダイレクトにアクセスできると同時に、「違い」という宝物にも出会える。
言葉を学ぶのには時間がかかります。進歩がわかりづらくて興味が薄れそうにもなります。
でも、やっぱり私はこの人たちと交流してみたい。改めてそう思いました。
大らかさ、受け入れること、赦すこと、そのココロに触れたい。
私の台湾熱はまだまだ続きます。

今天台灣生日。雙十節 國慶日快樂!

映画「トロッコ」

映画「トロッコ」(川口浩史監督)を観てきました。
芥川龍之介の「トロッコ」をモチーフにした現代劇です。

台湾人である夫/父親を亡くした母子が、その遺骨を届けるために向かった台湾が舞台です。
幼い子供二人を抱えた母親の不安と、それを受ける思春期直前の長男の心情、
異国である台湾の家族との距離感と、それでも家族であることゆえのお互いの思い、
さらに、日本人として教育を受けながら突然に「日本に捨てられた」祖父の気持ちの絡まり合いが描かれています。

私自身が主人公である母親と同年代であり、映画に出てくる子供たちと同じ年頃に父親を亡くした経験があり、また長女なこともあって、思う事が次々ありました。

仕事も、子供を持つことも、すべて自分で選んできたことの筈なのに、どうしてもつきまとう「子供がいない同年代がうらやましい」という気持ち。「全然ちゃんとできてない」という焦り。
それなりにキャリアを積みながらもまだまだ道半ばで、自分の将来のことはすごく不安。一人ぼっちでの仕事と育児の両立はすごくしんどいけれども、子供のことはもちろん大切であり、今日明日の生活に必死になるしかない。一方で親のこともいよいよ考えなくちゃいけない年代。
対する、義妹の気持ち〜自ら望んで子供を持ってないのだけど、そのことに対する後ろめたさに似た気持ち〜も、わかりすぎます。

そんな母親の心情をモロに受ける長男がまた…
まだ甘えたい、甘えなくちゃいけない年頃なのに、それが許されない状況に追いやられて。
映画の後半、一番大切なシーンはその長男の行動が中心なのですが、もうもうその気持ちが痛すぎて…
対する弟くんはいわば「男版メイちゃん(となりのトトロ)」なのですが、第一子の私としてはトトロを観たときと全く変わらず頭に血がのぼってしまいました…。
あー。。下の子はこうやって甘えたいだけ甘えて後はケロッとして、そうこうしてるうちにちゃっかり学ぶこと学んで、兄ちゃん姉ちゃんよりずっとしっかりした大人になっちまうのよねっっっ!!!!!
(…まぁ、今となっては下の子は下の子なりの大変さがあるのだろうと思うし、そうやって受け止めようと思うけどもね、大人だからね。苦笑)

映画全編を通して映し出される、台湾の自然もすごくきれいです。

同年代の人にはぜひとも観てほしいな。
台湾好きとしては、日本と台湾(さらにはアジア)との関係、位置づけを考える映画という面も外せない。
好きかどうかに関わらず、今の世の中、これからの世の中、日本人としてはこのテーマに触れる場面はおのずと増えるでしょうから、そういう意味でも観て欲しい映画です。

「トロッコ」川口浩史監督インタビュー(前編、後編)
http://eiganotubo.blog31.fc2.com/blog-entry-273.html
http://eiganotubo.blog31.fc2.com/blog-entry-274.html

「トロッコ」公式サイト

今日映画を観た「元町映画館」サイト