ファッションが教えてくれること

ライバル

映画を観てきました。
ファッションが教えてくれること

米国版VOGUEの「鬼」編集長、アナ・ウィンターを追ったドキュメンタリーです。

こないだ観たマイケルのドキュメンタリーは、モノ作り系の皆さん(友だち、有名な方のブログ諸々)が良かった、観るべし!と異口同音で、実際そうだったんですけど、この映画も同じ事言えるかも。
ステージパフォーマンスの派手さ楽しさはないけども、雑誌のビジュアルづくりということから、よりリアルにズズーーン、と感じる面がありました。
***

「感性を仕事として成り立たせることの難しさ」
私は最初に雑貨メーカーに就職し、ハードすぎて体調を崩して退職したんですが、そのハードさの大きな理由の一つが「…わからん」ということでした。
ジャッジする人(上司、先輩)の言う「かわいい」がわからんかったのです。
こういう「わからん」をわかろうとする、そんな難しい事ありません。聞いて答えがあるわけじゃないし。
で、そのことについて、感性が合わなかったのね、と結論づけて自分の中では整理し終わってるんですが、
10年経って、そしてこの映画を観て、そこにもう1個プラス。

「感性の違う者同士がリスペクトしあって仕事をするには、自分の良いと思うものに関しての感性をとことん磨く意外にない。」

(以下ねたばれあるよ)

映画の中に、アナの20年来のライバルで、またアナの下で重要なスタッフとして働くグレイスというディレクターがいるんですが、この2人の関係がとっても興味深いのです。

アナは誌面に全面的に責任を追うワンマン編集長で、やり手ビジネスパーソン。
グレイスがディレクションした写真も容赦なく没にしまくります。
それに対して、呆れ、怒りながらも一切妥協しないグレイス。
アナは絶対こう言うと思うわ、といいながら、提案するのはあくまで自分が良いと思ったもの。

グレイスは現代的でシャープなものよりも、ヨーロッパ的で歴史の香りがするようなもの、曖昧なものが、時代のトレンドに関わらず好き。
長い付き合いでお互い理解しあってると言い、自分の感覚に絶対的な自信を持ちながらも、常に新しいものに向かってアンテナを伸ばし、実際ビジネスを成功させているアナに対するコンプレックスをグレイスは隠しません。

グレイスはモデル出身なのですが、もともとモデルやデザイナーに興味があったわけじゃなく、とにかくファッション写真を見るのが好きだった、という「感性の人」。
10代を過ごしたのは、注文したファッション誌が2-3ヶ月遅れでしか届かない田舎です。

対する「やり手」アナは、ファッションが最先端だった時代のロンドン出身。有名ジャーナリストを父に持ち、自身の兄弟も、また娘も、ジャーナリズムや法律に関する「固い」仕事に就いているという背景を持ってるのです。

この2人の関係や、グレイスの抱えている気持ち、
そしてアナもまた、映画の最後で、感性についてはグレイスにかなわない、という本音を明かしているのですが
感性でジャッジしなきゃいけない仕事を象徴しているなぁと。
感性がなきゃだめ。感性だけでもだめ。
売れなきゃだめ。市場に迎合してるだけでもだめ。

***

あと、ちょこっと思ったことは、日本にもそれなりにとんがったファッション雑誌はあるけど、アナのVOGUEみたいに全世界の先頭に立って誌面づくりをする、なんて気概のあるのはまだほとんどないのだなぁということ。まぁモード系ファッションはそもそも西洋発だから当然かもしれないけど。
でも、雑誌が売れる売れないとか、広告がとれないとか、そういうことじゃない(もちろん大事なんだけど)、もっと根本的なモノ作りの迫力みたいなものの大切さについて、思いました。。。

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