京都(2)

kanzan

さてさて、京都行きの目的は京都文化博物館で開催中の「乾山の芸術と光琳」でした。
尾形乾山は江戸中期に人気を博した「乾山焼」の創始者で、画家の尾形光琳の弟にあたります。

この二人の兄弟は、もともと裕福な呉服商の家に生まれるのですが、やがて家業は傾き、父親から受け継いだ遺産の手形も回収不能となり、生活のためにそれぞれ絵画、陶芸を志し、やがて名を成すこととなります。

おもしろいのが、
兄の光琳は派手好きで裕福な生活が忘れられず、弟の乾山にまで借金をし、
一方の弟は子どもの頃から内省的な性格で、陶芸に関わる事になったのも、遺産相続後早々に隠居生活に入ってしまったのがきっかけだった…ということ。
とはいえ、二人が対立して不仲になったということではなく、やがて江戸で成功をおさめた光琳は京都に戻り、弟の陶芸に絵付けをする形で協力し、すぐれた作品を残していきます。

このあたりの兄弟の性格の違いと、それでもうまくつながっていくところ、なんともリアルで、またふたりの信頼関係が感じられていいなぁと思います。

性格の違いといえば、乾山も絵を描いているのですが、二人の絵の違いも性格を如実に表していておもしろい!
光琳の絵はメリハリのある画面構成で迫力があり、「クール!」という表現がぴったりですが
乾山の絵はなんとなくのほほん、として力の抜けたかわいげのあるものです。
二人の筆跡を見てても同じ事が感じられます。

そんな二人がタッグを組んで作品を生み出していく…すごくおもしろかったでしょうね!

また、乾山は商才にも長けていたようで、当初は京都の鳴滝に釜をかまえて芸の追究並びに特定の顧客の注文に応じる形での制作に打ち込みますが、やがて人気が出てくると拠点を町中に移し、より多くの人に多くのものを販売する業態に転じ、成功していきます。
ちょうどこの頃が乾山×光琳の作品の時期と重なり、職人気質かつ商売上手の弟と、人気画家の兄とがいわば優秀なプロデューサーとデザイナーの組み合わせで人気を博していくのですね。

そんな乾山の陶芸は、創意工夫に富みデザインセンスも抜群で、現代にあっても絶対人気商品間違いなしのモダンさです。
色絵椿文向付」なんて北欧デザインか!?て感じです。

思えば、大学時代なんぞこういった美術史は必修科目だったにも関わらず全くまじめに取り組んでなかったのですが、
今頃になって興味が出てくると、ホントおもしろい。
昔はおもしろくなかったことが、おもしろく感じられるようになるというのも幸せなことだなぁと思ったりします。

「京都(2)」への2件のフィードバック

  1. 「乾山の芸術と光琳」って、出光美術館でみたかも…!?

    学生時代は、とにかく西洋に興味があって日本美術やアジアには全く興味がなかったのに…。
    私も同じ!年齢と共に自分って変わるんだな~って思いました。
    私の場合、年相応に中身も成長してほしいけどね・・・

  2. ヒロミさん
    ちょっとずつ、興味の対象や、理解の仕方が変わってくるのはおもしろいよね。
    中身もきっと成長してる・・・と信じましょう。お互い(^・^)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.